【予告】大迷宮ユグドラシル遭遇編【プレストーリー】

【予告】大迷宮ユグドラシル遭遇編【プレストーリー】

魔鍵ユグドラシル
いつから大地に在り
今までに何を見てきたのか
魔界に溢れる魔力の源泉
あるいは、魔王の檻
それが何故「鍵」と呼ばれるのか
それが何に錠をかける「鍵」なのか
今更に何も知らぬ我々は
逆に言えばこそ
その謎の全ては此処に在ると
まさに言わんばかりに聳え立つ
魔鍵ユグドラシル
そこには何があるのか
魔界の秘密が隠されているのか
まだ見ぬ世界が広がっているのか
我々は思うのだ
魔剣使いの諸君
もし仮に、仮にだ
魔鍵ユグドラシルの記憶が
魔界に住む全ての者から
奪われていた、としたら
どう思うかね？
魔界という世界において
他に類を見ない異質で異常で異和な謎
皆がユグドラシルを知っているのに
誰もユグドラシルを識っていない
はたしてこれ以上の謎があるだろうか
我々は2つの可能性を考えた
ひとつは、理解できない可能性だ
どうやっても我々には理解できない次元、
平面生命が立体生命を理解できないよう
永劫永遠に把握しきれないもの、なのか
あるいは、ふたつめ、
記憶できない可能性、だ
我々は理解こそすれど、それを覚えられない
それは情報量が我々の脳を凌駕するのか
あるいは、記憶させない第三者がいるのか
我々は無力だ
そのどちらと判断することすらできない
それ以外の可能性を検討できていない
だが、それは、今までの話である
我々は、真実を知りたい
我々は、本当を識りたい
それこそが、我々が、
魔界に生まれ落ちた意味であると
それこそが、我々が、
魔界で剣を取る意味であると
そう、魂が呼びかけるからだ
今日ここに我々は声をあげる
「魔鍵ユグドラシルを攻略する」
先陣をきった同胞により
未開ゲートが発見され百余年
無謀とされ、封鎖された門を
今こそ開こう
先にある真実を掴め！
まだ見ぬ力を手にせよ！
我々は魔鍵に敗北しない！
我々は過去に屈しない！
その先にある全てを見よ！
心強き者は剣をとれ！
我々は、
我々《魔剣機関》は、
その勇気を歓迎する！

＜――ピピッガガガッ＞
良かったのですか、局長
元老院のおじいさまたちは
ユグドラシル攻略を許可していません
＜―ガガッ――＞
構うものか
じじいたちが何もせず百年たった
魔王獣なぞ恐れることはないさ
それに…
＜―ガ…ピピッガッ――＞
…局長？
どうされました？お声が…
＜――ガガッブツッッ――＞
それに…くくく、
どうやら「開いた」みたいだからな
まったくどうして、百年か
待ってみるものだな
「XIII」よ…
楽しみだ
なぁ、《魔鍵使い》の諸君